コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

オージェ効果 オージェこうか Auger effect

5件 の用語解説(オージェ効果の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オージェ効果
オージェこうか
Auger effect

電子線照射,X線照射放射性核種における軌道電子捕獲などによって,原子内殻 (原子核に近い電子軌道) の電子が失われるとき,その空孔を外側の殻の電子が埋めて両殻の結合エネルギーの差を光子として放出する場合 (特性X線放射) と,原子内光電効果によって他の軌道電子を放出する場合とがある。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

オージェ‐こうか〔‐カウクワ〕【オージェ効果】

Auger effect》エネルギーを得て励起した原子がもとの基底状態に遷移するとき、余ったエネルギーを放出するかわりに、原子内の電子に与えて電子を放出する現象。1925年、フランスの化学者P=V=オージェが発見。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

法則の辞典の解説

オージェ効果【Auger effect】

原子核の軌道電子捕獲,あるいは外部からのX線や粒子線の照射の結果,内殻に空孔が生じたとき,外の殻にある電子がこの空孔へと遷移して空孔を埋め,そのときに放出されるエネルギーを外殻の他の電子に与えて放出する.この現象をいう.1923年にフランスのオージェ(P. Auger)がはじめて観測したのでこの名がある.なお彼の姓は第二音節にアクセントがあるので「オジェー」のほうが原発音に近いはずであるが,わが国では以前から「オージェ」と呼びならわしている.

出典|朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

オージェこうか【オージェ効果 Auger effect】

原子の基底状態では詰まっている内殻の電子が,励起状態において何らかの原因で抜けていることがある。このとき励起状態にある原子が再び基底状態に戻る過程には二つある。一つは浅い準位にある電子がこの内殻の空席に落ちるとともにエネルギー差分をX線として放出する過程であり,もう一つは,このエネルギー差分をさらに別の電子に与え,その電子を原子外に放出する過程である。後者の現象をオージェ効果と呼び,この効果で原子外に飛び出す電子をオージェ電子という。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オージェ効果
おーじぇこうか
Auger effect

電子線やX線を当てることによって原子の内殻に孔(あな)をつくると、外殻の電子がそこへ落ち込んで、余ったエネルギーを使ってもう1個の外殻電子を原子から放出させることがある。この現象は1920年代初頭にフランスの物理学者オージェPierre Victor Auger(1899―1993)およびオーストリア出身の物理学者L・マイトナーによってそれぞれ独立に発見されたが、原子物理学的な見地から現象を観測、説明した前者にちなんでオージェ効果、オージェ遷移などとよばれる。内殻にできた孔を外殻の電子が埋める過程としては、このほか、余ったエネルギーを電磁波の形で放射する現象があり、特性(固有)X線放射とよばれる。一般に原子番号の大きい元素では、特性X線放射のおこる確率のほうがオージェ効果のおこる確率より大きいが、原子番号の小さい元素では、オージェ効果のおこる確率のほうが大きい。
 オージェ効果の種類は、始めの孔の殻記号と終わりに生ずる2個の孔の殻記号を並べて書き表す。たとえば、始めK殻に孔ができ、オージェ遷移ののちL1殻とL2殻に孔のある状態が残ったとすると、これをKL1L2オージェ過程とよぶ。オージェ効果により放出される電子はオージェ電子とよばれ、この運動エネルギーは、始状態と終状態のエネルギーの差により決まる一定の値をもつ。電子衝撃によるオージェ電子のエネルギースペクトルは元素の種類によりほぼ定まるので、元素分析の手段としても応用されている。この手段を用いた分析法をオージェ電子分光法といい、特性X線分析法と並んで金属材料表面の元素分析に広く応用されている。
 ちなみに、オージェは第二次世界大戦中ナチス・ドイツによる祖国フランスの占領に対する抵抗運動を続け、大戦後CERN(セルン)(ヨーロッパ原子核研究機構)の創設(1954)に指導的な貢献をした科学行政の指導者としても知られている。[鈴木 洋・中村信行]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

オージェ効果の関連キーワード価電子中性子捕獲電子捕獲フントの規則β崩壊軌道電子軌道電子捕獲放射性反跳陽子捕獲断熱近似

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone