改訂新版 世界大百科事典 「E.S.の画家」の意味・わかりやすい解説 E.S.の画家 (イーエスのがか)Meister E.S. ドイツの版画家。1450-67年ころオーバーライン地方で活躍。本名,生没年,出身地,経歴は不明。318点の作品が確認されているが,うち28点に〈E.S.〉のモノグラムによる署名があり,呼称はそれに由来する。ドイツにおいて版画作品にモノグラムを用いたのは,彼が最初である。組織的なハッチングやクロスハッチングを駆使した陰影や肉付けの技巧によって,金工の技術から派生した銅版画に絵画的な立体感と奥行きを獲得し,後続のションガウアーやデューラーによる銅版画芸術の高揚に道をひらいた。執筆者:八重樫 春樹 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by