化学辞典 第2版 「L-3-アラニン」の解説
L-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン
ジヒドロキシフェニルアラニン
L-3-(3,4-dihydroxyphenyl)alanine
C9H11NO4(197.19).略号DOPA.L-ドーパともいう.ソラマメVicia fava L.の果皮や芽,またヒトの尿,副腎などに存在するが,加水分解中に分解するのでタンパク質中には見いだされていない.L-チロシンをニトロ化,還元,ついでジアゾ化,加水分解して合成できる.針状晶.分解点285 ℃.-14.28°(1 mol L-1 塩酸).水に比較的難溶,有機溶媒にほとんど不溶.空気中で容易に酸化され黒化するので,再結晶は亜硫酸を含む水から行う.生体内では酵素によるチロシンの酸化により生成するが,メラニン,アドレナリン,コデイン,モルヒネなどの生体内中間体として重要である.パーキンソン病の治療薬に用いられる.LD50 4898 mg/kg(マウス,経口).[CAS 59-92-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報