日本大百科全書(ニッポニカ) 「コデイン」の意味・わかりやすい解説
コデイン
こでいん
codeine
1832年フランスの薬剤師ロビケによって初めてアヘンから分離されたアヘンアルカロイドの一種で、モルヒネのメチル化合物。アヘン中に1.31~5.39%含まれる。モルヒネに類似した作用があるが麻薬性は少なく、習慣性となることは少ない。通常コデインリン酸塩として医薬品に用いられる。呼吸中枢を鎮静する作用があるところから、鎮咳(ちんがい)、鎮痛、鎮静の目的で使用される麻薬性鎮咳剤の代表的薬物である。気管支炎、百日咳(ひゃくにちぜき)、肺結核などの鎮咳に用いられる。鎮痛効果はモルヒネより弱いが鎮咳作用は強い。100倍散は麻薬の規制から外され、家庭麻薬として用いられる。1日の常用量は0.06グラム。
[幸保文治]