マイクロ波着陸装置。microwave landing systemの略称で、航空機の着陸援助装置の一種。現在、世界で広く使用されている着陸援助装置はILS(計器着陸装置)であるが、この方式は使用電波(VHFおよびUHF)に起因する多くの制約がある。そのため、将来の航空機の需要に対処しうる新システムとして、マイクロ波を使用したMLSが開発され、1980年に国際民間航空機関(ICAO(イカオ))の国際標準方式として採択された。
MLSは、進入中の航空機に、滑走路末端からの方位と進入角と距離の情報を与える装置である。作動原理は、地上より鋭い指向性をもつビームを発信し、高速で左右と上下に走査し、機上で受信したビームの時間間隔を測ることにより、進入経路から何度ずれているかを知る。距離はDME(距離測定装置)によって測定する。MLSはマイクロ波を使用しているので地形などによる影響や電波干渉が少なく、精度が高くなること、ILSに比べて複数の進入コースの設定が可能であるため、航空交通管制(ATC)を効率的に行えるなどの利点があるが、着陸装置の主流となるには至っていない。
[青木享起・仲村宸一郎]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…カテゴリーIIでは視程が0.25マイル以上,D.H.は100フィート以上であり,カテゴリーIIIはa,b,cと細分されるが,条件はカテゴリーII以下で視程0,D.H.0までとなっている。
[MLS]
ILSでは滑走路延長線上には1本の進入経路しか形成できないなど,全天候運航計画が進み,自動着陸をする航空機が増えるに従って機能的に対応しきれなくなってくる。このためマイクロ波を用いた精密着陸誘導装置が開発され,1979年に,ICAOでその仕様国際基準が決定された。…
※「MLS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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