第2次世界大戦中,日本軍占領下のインドネシアのジャワで,日本軍によって補助兵力として養成されたインドネシア人の軍隊のことで,祖国防衛義勇軍Tentara Pembela Tanah Airの略称。日本名はジャワ防衛義勇軍という。設立の第一の目的は手薄になった日本軍の兵力補強にあったが,同時に郷土防衛熱をあおって占領地住民の民族意識を高揚させ,対連合軍戦の士気を高めるという宣伝効果もねらっていた。1943年の設立から終戦までにジャワ全土で66大団が編成され,約3万3000のインドネシア人将兵が日本式軍隊教育の下で養成された。同様の義勇軍はスマトラ島でも別個に編成され(インドネシア名はラスカル・ラヤットLaskar Rakyat),数万の将兵が養成された。これら将兵の多くは独立(45年8月)後インドネシア共和国軍に参加し,独立戦争の中心的担い手となった。スハルト大統領をはじめ軍指導部の多くは義勇軍出身者である。
執筆者:倉沢 愛子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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