知恵蔵 の解説
SIMフリー版iPhone
携帯電話会社が販売する多くの携帯電話やスマートフォンは、SIMカード(Subscriber Identity ModuleCard)と呼ばれる、電話番号などの識別情報が記録されたICカードをセットして利用するシステムになっている。iPhoneも、購入した携帯電話会社のSIMカードで、その会社の料金形態に則った利用が基本となる。しかし、SIMフリー版は、特定の携帯電話会社に依存しないため、自由に会社を選べるのが最大の特徴。
今回アップル社が直接販売するSIMフリー版iPhoneの5sは71800円から、5cは60800円からと、決して安価ではない。なお、ソフトバンク、au、ドコモのいずれかでiPhoneを購入した場合は、2年間の利用を条件に、機種代金が実質無料になる場合もある。したがって、購入価格だけでは、SIMフリー版iPhoneに分があると言えないが、アップル社は、「携帯電話会社での複数年のサービス契約を結びたくない場合や、海外で地元の通信事業者を使いたい場合におすすめする」としており、このようなニーズを持つユーザーには魅力ある製品といえる。
また、近年、MVNO(Mobile Virtual Network Operator仮想移動体通信事業者)と呼ばれる業者から、月々1000円未満の料金でSIMフリー端末向けのサービスが登場している。これらのサービスのほとんどはデータ通信専用で通話には対応していないが、維持費を抑えてデータ通信を主にiPhoneを使いたいユーザー向きの製品となっている。
(横田一輝 ICTディレクター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報