ICカード(読み)あいしーかーど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ICカード」の意味・わかりやすい解説

ICカード
あいしーかーど

集積回路ICチップが埋め込まれたカード従来磁気カードに比べ、より多くの、さまざまな情報を記録することができる。記録されている情報の保護に優れ、データの暗号化によりカードが偽造されにくく、安全性が高い。専用のICカードリーダーを使用して記録されている情報を読み出すことができ、利用者を認証したり、利用履歴や電子マネー残高などを管理したりできる。カード表面の接点端子)を読み取り装置に接触させる接触型ICカードと、電磁誘導による無線通信によって、読み取り装置に近づけるだけで情報交換できる非接触型ICカードがあり、利便性の高い非接触型ICカードが普及している。携帯電話やスマートフォンにICチップを組み込み、非接触型ICカードと同等の機能をもたせたサービスも行われている。

 日本では2000年代以降、銀行のキャッシュカードで磁気カードからの切り替えが始まり、続いてクレジットカードやプリペイドカードなどにも導入された。その後、ICカード型電子マネー、ICカード乗車券、ICカード型運転免許証などが普及し、会員証や学生証、自動販売機たばこを買う際に使用する成人識別ICカード「taspo(タスポ)」、デジタル放送視聴を制御する「B-CAS(ビーキャス)カード」、有料道路の通行料金自動支払いシステムの「ETCカード」などさまざまな用途で使用されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ICカード」の意味・わかりやすい解説

ICカード
アイシーカード
integrated circuit card

メモリ(→記憶素子)やマイクロプロセッサなどの IC素子(→集積回路)を内蔵したカード。蓄積されたデータを個人認証やプリペイドのデータとして外部から読み取り利用する。磁気ストライプで記録された磁気カードに比べ,データの大容量化,暗号化によるセキュリティの確保などが格段に進歩した。構造上の分類として,読み取り端末用の接触端子をもつ接触型と,アンテナを内蔵し無線通信でデータのやりとりを行なう非接触型があり,接触型のほうがセキュリティ,データのやりとりなどでは堅固な特徴をもつ。メモリとマイクロプロセッサを組み込んだカードでは,内蔵された暗号化ソフトにより,偽造や改造はほぼ不可能。認証・識別機能,セキュリティ確保機能,データの読み書き・保存機能を有し,テレホンカード,電車バスなどの公共交通用カードなどのプリペイドカード,携帯電話,デジタル放送などの個人識別カード,クレジットカード,銀行キャッシュカード,さらには住民基本台帳カード,パスポート,運転免許証,身分証などさまざまに利用されている。(→PCカード

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