SN1型反応(読み)エスエヌイチガタハンノウ

化学辞典 第2版 「SN1型反応」の解説

SN1型反応
エスエヌイチガタハンノウ
SN1 type reaction

一分子的求核置換反応(unimolecular nucleophilic substitution)の略称.求核試薬による置換反応のうち,一分子的に反応が進行するものをいう.ソルボリシスに主としてみられ,カルボカチオンの生成する次の(1)の段階が律速反応で,求核試薬 Y- が攻撃する反応(2)は速い.

 R+ + Y-→RY (2) 

したがって,遷移状態で共有結合の変化する分子はRXのみで,反応速度はRXの濃度について一次となるが,Y- の濃度には関係しない.このような型の反応は,カルボカチオン R+ の生成が容易である場合にみられる.つまり,RXにおけるXが脱離しやすい基であること,溶媒の極性が大きくイオン化を助けること,カルボカチオンに電子供与性置換基が結合して陽電荷を安定化すること(たとえば,Rが第三級アルキル基のとき)などが必要である.また,置換される原子団Xが不斉炭素原子に結合しているとき,SN2型反応ではワルデン反転が起こるのに対して,SN1型反応では一般にラセミ化が起こる.これはカルボカチオン中間体が平面構造をとり,試薬 Y- がこの平面の両側から近づくことができるからである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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