X線リソグラフィー(読み)えっくすせんリソグラフィー(英語表記)X-ray lithography

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「X線リソグラフィー」の意味・わかりやすい解説

X線リソグラフィー
えっくすせんリソグラフィー
X-ray lithography

X線を用いてマスクパターンを半導体ウェハー上のレジストに縮小撮影して露光し,転写する方法。一般に使われている紫外線リソグラフィーより解像度が高く,0.1μm くらいの微細パターン形成が可能である。X線露光では,レジスト塗布したウェハーの上にX線マスクを重ね,その上からX線を照射してマスクパターンをレジストに焼付け転写する。波長 0.5~15μm くらいの軟X線を用いる。X線マスクはX線透過率の高い基板上にX線吸収率の高い金属材料でパターンを形成してある。パターン転写時のボケを小さくするため,X線の広がり角度は小さいほどよい。X線光源には,X線管,プラズマX線源,シンクロトロン放射光などがある。特にシンクロトロン放射光は,平行度が高くX線強度も大きいので,光源として有望視されている。X線露光の適用分野は紫外線露光で不可能な 0.1μm 級 LSIの生産にあるとされている。ただし,実用化のためには強力かつ経済的な軟X線光源の開発を加えて,この微細寸法に見合う高精度マスクの製造や露光時の位置合せなど,検討を要する問題が残されている。

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