グラスフィッシュ(読み)ぐらすふぃっしゅ(その他表記)glassfish

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラスフィッシュ」の意味・わかりやすい解説

グラスフィッシュ
ぐらすふぃっしゅ
glassfish
indian glassfish
[学] Chanda ranga

硬骨魚綱スズキ目セントロポミ科の淡水魚。インド、ミャンマービルマ)、タイ、フィリピン、スマトラ島に分布し、淡水域から海水の入り混じる河口付近にまですむ。全長7センチメートルに達し、体は長卵形で側扁(そくへん)し、こはく色のガラスのように透明で、骨格や半透明の内臓が透けてみえる。名はこの特徴に由来。観賞魚として人気がある。

 水草茂みの中で産卵し、卵は28℃で24時間後に孵化(ふか)する。以後3~4日間、仔魚(しぎょ)は水草か水槽の壁にぶら下がる。稚魚は頭を上にして体を垂直に立て、索餌(さくじ)を始める。動きの少ないワムシ類(袋形(たいけい)動物)には満足せず、キクロプス(橈脚(とうきゃく)類)のノープリウス幼生を好む。これをみつけることができなければ、すぐに死ぬ。餌(えさ)が十分に得られれば、2~3日のうちに水平に泳ぎだす。この時点で、プランクトンほかいろいろな餌を食べるようになる。成魚の餌は普通の熱帯魚と同じで、市販の固形餌料やイトミミズでもよい。近縁のシャンダ・ウォルフィーChanda wolffiは、自然では全長20センチメートルになるが、水槽内では6、7センチメートルにしかならない。この種はタイ、スマトラ島、ボルネオ島に分布する。

[中坊徹次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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