ピーター・パン症候群(読み)ピーター・パンしょうこうぐん(その他表記)Peter Pan syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーター・パン症候群」の意味・わかりやすい解説

ピーター・パン症候群
ピーター・パンしょうこうぐん
Peter Pan syndrome

成熟することを拒否し,いつまでも子供のままでいたいと願う現代男性の心理学的指向。精神疾患としての概念で,アメリカ合衆国の心理学者ダン・カイリーが,J.M.バリー戯曲ピーター・パン』 Peter Panの主人公にちなんで名づけた。 1983年著書『ピーター・パン・シンドローム:なぜ,彼らは大人になれないのか』 The Peter Pan syndrome: men who have never grown upの中で,中流から上流階級に属し,長男で独身,高学歴だが経済的に自立せず,外見は好人物,職場を転々とするといった典型例を示した。感情を適切に表すことができない,親友をもてない,怠惰である,迷信的発想をいだく,セックスに対するコンプレックスがある,現実逃避の傾向が強いなど,精神的・社会的・性的に未熟で,モラトリアム人間 moratorium personality (→モラトリアム ) に近いとされる。 (→症候群 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android