小田嶽夫(読み)おだたけお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小田嶽夫」の意味・わかりやすい解説

小田嶽夫
おだたけお
(1900―1979)

小説家。本名武夫。新潟県生まれ。東京外国語学校(現東京外国語大学)支那(しな)語科卒業。外務省書記として中国の杭州に赴任したが、文学を志して退職。同人誌『葡萄(ぶどう)園』『麒麟(きりん)』などを遍歴したのち、中国に取材した『城外』(1936)で芥川(あくたがわ)賞を受賞。日中戦争によって中国への関心が高まるなかで、『魯迅(ろじん)伝』(1941)、短編集『紫禁城の人』(1941)は注目された。戦後松川事件に取材した『真実の行方』(1957)、回想記『文学青春群像』(1964)のほか、『漂泊の中国作家』(1965)、『義和団事件』(1969)、『郁達夫(いくたつふ)伝』(1974)などの中国に関連したものがある。

[東郷克美]

『『芥川賞全集1』(1982・文芸春秋)』

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