漂泊(読み)ひょうはく

精選版 日本国語大辞典 「漂泊」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐はく ヘウ‥【漂泊】

〘名〙
① 流れただようこと。漂流すること。
太平記(14C後)一一「時直僅に五十余人に成て、柳浦の浪に漂泊(ヒョウハク)す」
一定住居生業がなく、諸方をさまよい歩くこと。さすらうこと。流浪
本朝文粋(1060頃)一・山家秋歌〈紀長谷雄〉「一身漂泊厭浮名、試避喧喧毀誉声
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず」 〔庾信‐哀江南賦序〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「漂泊」の意味・読み・例文・類語

ひょう‐はく〔ヘウ‐〕【漂泊】

[名](スル)
流れただようこと。「小舟漂泊する」
所を定めずさまよい歩くこと。さすらうこと。流浪。「各地漂泊して歩く」「漂泊詩人
[類語]放浪流浪流離漂流浮浪うろつくさすらうさまよう出歩くほっつくほっつき歩くほっつき回るぶらつく徘徊彷徨低回右往左往

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「漂泊」の読み・字形・画数・意味

【漂泊】ひよう(へう)はく

ただよう。さすらう。北周信〔哀江南の賦の序〕下亭に漂泊し、高橋に覊す。楚歌は樂を取るの方に非ず、魯酒は憂ひをるるの用無し。つて此の賦を爲(つく)り、聊か以て言を記す。

字通「漂」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の漂泊の言及

【漂泊民】より

…さすらい人。漂泊・遍歴と定住・定着とは,人間の二つの基本的な生活形態である。それゆえ,漂泊民といい,定住民といっても,それは絶対的なものではなく,漂泊についていえば,居所の定まらぬ漂泊,本拠地を持つ遍歴,本拠地を変更するさいの移動,さらに一時的な旅など,さまざまな形態がありうる。…

※「漂泊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android