日本大百科全書(ニッポニカ) 「恵方巻き」の意味・わかりやすい解説
恵方巻き
えほうまき
節分に食べる太い巻ずし。その年の吉をもたらす方角(恵方)に向かい、黙って願い事をしながら1本を丸かじりする。巻ずしを切らずに丸ごと食べるのは、縁をきらないという縁起をかついだものである。丸かぶりずしや恵方ずしともいう。1970年代なかばに大阪海苔(のり)問屋協同組合がすし関係の団体と連携し、節分と関連づけて恵方巻きの販売促進活動を行ったことが普及のきっかけとなり、1977年(昭和52)ごろから関西圏を中心に広まった。1990年(平成2)ごろからコンビニエンス・ストアやスーパーマーケットなどで、節分の行事食として販売する動きが徐々に広がり、新しい年中行事の一つとして全国的に認知されるようになった。
そもそもは、江戸末期~明治初期に大阪の問屋街船場(せんば)で商売繁盛や無病息災を願って食べたのがはじまりというのが通説になっているが、諸説があり、はっきりとしたことは分かっていない。
[編集部]