搢紳(読み)シンシン

デジタル大辞泉 「搢紳」の意味・読み・例文・類語

しん‐しん【×搢紳/×縉紳】

しゃくおおおびはさむ意から》官位が高く、身分のある人。
「―の身ながらに笏や筆をいて」〈露伴・魔法修行者〉

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精選版 日本国語大辞典 「搢紳」の意味・読み・例文・類語

しん‐しん【搢紳・縉紳】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「搢」「縉」はさしはさむ、「紳」は大帯の意。礼装の際、笏(しゃく)を大帯にさしはさむところから ) 官位が高く身分のある人。また、貴族一般の称。
    1. [初出の実例]「聖衿属暄節、置酒引搢紳」(出典懐風藻(751)春日侍宴〈息長臣足〉)
    2. 「歌は必ず縉紳の御芸にてといへど、昔はそうでもなかりし也」(出典:随筆・胆大小心録(1808)一〇)
    3. [その他の文献]〔晉書‐輿服志〕

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世界大百科事典(旧版)内の搢紳の言及

【郷紳】より

…明代後半期から中国革命に至る時期の中国における地方の支配層。郷紳は田主(でんしゆ)あるいは業主(ぎようしゆ)と呼ばれた地主の一員であったが,その中でも日常的に地域社会の動向を左右する実力者であり,2,3年の任期で去っていく地方官にまさる影響力をもっていた。 朝廷に出仕する官僚の着用する大帯を紳(しん)といい,この大帯にメモ用の板(笏(こつ))をさしはさむことを縉(しん)と呼んだが,これに由来する縉紳(しんしん)という語は秦・漢以前から官僚の雅称として用いられてきた。…

【紳士】より

…今日では身だしなみのよい上品な人を広くさすが,本来,搢(縉)紳(しんしん)という中国語からきており,搢紳の士を略したもの。搢(縉)は挿,紳は帯を意味し,官位にある者の象徴である笏を帯に挿していた官吏の代称であったが,近代日本ではジェントルマンgentlemanの訳語として,1879年ころから使われはじめ,やがて定着した。…

※「搢紳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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