胆大小心録(読み)たんだいしょうしんろく

日本大百科全書(ニッポニカ)「胆大小心録」の解説

胆大小心録
たんだいしょうしんろく

上田秋成(あきなり)の随筆集。1808年(文化5)成立。秋成が最晩年の心事を自在につづった随筆集で、163条の短文からなり、自筆本のほか数種の写本が伝えられている。和歌・俳諧(はいかい)に関する意見や学問的考証、国史に対する感想や儒仏(じゅぶつ)の説、あるいは、知友についての批評や自伝的な回想、世俗の見聞に及ぶなど、内心の関心事のすべてが平易な口語で記されていて、秋成その人を知るうえで欠かせない資料である。題名は『唐書(とうじょ)』「隠逸(いんいつ)」の孫思邈(そんしばく)のことば「胆ハ大ナルヲ欲シ、心ハ小(細心)ナルヲ欲ス」からとられている。

[中村博保]

『中村幸彦校注『日本古典文学大系56 上田秋成集』(1959・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典「胆大小心録」の解説

たんだいしょうしんろく ‥セウシンロク【胆大小心録】

江戸後期の随筆。上田秋成著。文化五年(一八〇八)成立。江戸時代には出版されていない。自筆本は全一六三段の短章からなる。自伝、人物評国学、和歌、歴史についての論評など内容は多岐にわたり、口語をまじえた自由で独特な文体縦横論述を行なっている。晩年の秋成を知る資料として貴重。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「胆大小心録」の解説

胆大小心録
たんだいしょうしんろく

江戸時代後期の随筆。上田秋成著。3巻。文化5 (1808) 年成立。交友のこと,国学上の考証,未完創作断片などを約 160条にわたって集めており,秋成の精神の推移をうかがううえで貴重な資料。異本数種がある。

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デジタル大辞泉「胆大小心録」の解説

たんだいしょうしんろく〔タンダイセウシンロク〕【胆大小心録】

江戸後期の随筆。3巻。上田秋成著。文化5年(1808)成立。自伝や人物評・国学・和歌など、広い分野にわたる論評を収録

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世界大百科事典 第2版「胆大小心録」の解説

たんだいしょうしんろく【胆大小心録】

江戸時代の随筆。上田秋成著。1808‐09年(文化5‐6)成立。著者最晩年の成立で,自筆本を含め数種類の写本が伝えられる。口語体の文章により,見聞や回想,学問的考証や儒仏神諸道に関する感想が断片ふうに自由なかたちで記されている。また歴史上の人物や身近な知人たちを歯にきぬきせずに批評し,秋成の人柄と晩年の心事,関心を伝える資料として大きな価値をもつ。【中村 博保】

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