残花(読み)ザンカ

デジタル大辞泉 「残花」の意味・読み・例文・類語

ざん‐か〔‐クワ〕【残花】

散り残っている花。「残花一輪」
春の末のころに咲き残っている桜の花。残る花。名残の花。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「残花」の意味・読み・例文・類語

ざん‐か‥クヮ【残花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 散り残っている花。
    1. [初出の実例]「風荷の老葉は蕭条として緑なり、水蓼の残花は寂寞として紅なり〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. [その他の文献]〔庾信‐和宇支内史入重陽閣詩〕
  3. 特に、散り残っている桜の花。残る花。残桜。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「西掖門下曲飲逢晩春残花」(出典田氏家集(892頃)上)
  4. 能で、稚児の姿で演じた頃の上品で優美な趣が残っていることをいう。
    1. [初出の実例]「是は軍体ながら寵景の見残らば、児姿二曲の残花なるべし」(出典:二曲三体人形図(1421))

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