普及版 字通 「狽」の読み・字形・画数・意味
狽
10画
[字訓] うろたえる
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は貝(ばい)。〔玉〕に「狼狽(らうばい)なり」とあり、狼と狽と二獣の名とする。〔酉陽雑俎、毛〕に狼は前二足が長く、狽は前二足が短く、前後の長短が等しくないので、この両者は相助けて進退する、そのさまを狼狽というと説かれているが、狼狽はおそらく剌(らつぱつ)・沛(てんぱい)というような、平衡を失する状態をいう形況の語であろう。卜文・金文の字形に、犬の尾に貝を加えた形のものがあり、何らか呪的な意味をもつものかと思われる。狂は犬と聖器としての王(鉞(まさかり)の形)に従い、その呪力が犬に憑依する意であるらしく、いずれも異常な状態を示す字である。
[訓義]
1. うろたえる、
2. みだれる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕狼狽 ミダル 〔立〕狽 ミダル
[下接語]
狽・狼狽
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報