狼狽(読み)ロウバイ

デジタル大辞泉 「狼狽」の意味・読み・例文・類語

ろう‐ばい〔ラウ‐〕【××狽】

[名](スル)《「狼」も「狽」もオオカミ一種。「狼」は前足が長くて後ろ足が短く、「狽」はその逆。「狼」と「狽」は常にともに行き、離れると倒れるのであわてるというところから》不意の出来事などにあわててうろたえること。「株価急落狼狽する」「周章狼狽
[類語]騒ぐうろたえるまごつく面食らう周章慌てる周章狼狽慌てふためく右往左往取り乱す度を失う泡を食う一泡吹かせるじたばたあたふた

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精選版 日本国語大辞典 「狼狽」の意味・読み・例文・類語

ろう‐ばいラウ‥【狼狽】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「狼」も「狽」もオオカミの一種。「狼」は前足が長く後足短いが、「狽」はその逆で、常にともに行き、離れれば倒れるので、あわてうろたえるというところから ) 思いがけない出来事にあわてふためくこと。どうしてよいかわからず、うろたえ騒ぐこと。
    1. [初出の実例]「歎進退之惟谷、纏起居之狼狽」(出典三教指帰(797頃)下)
    2. 「喫驚(びっくり)狼狽(ラウバイ)して、振払ひつつ迯出す」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐崔寔伝〕

うろたえうろたへ【狼狽】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 動詞「うろたえる(狼狽)」の連用形名詞化 ) あわてふためくこと。また、そのさま。とまどい。ろうばい
    1. [初出の実例]「うろたへな太夫様でないが、なんとして今日は狂言が出来ませぬぞ」(出典:浮世草子・風流曲三味線(1706)四)
    2. 「女は粛然として、焦(せ)きもせず、狼狽(ウロタヘ)もせず」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉六)

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普及版 字通 「狼狽」の読み・字形・画数・意味

【狼狽】ろう(らう)ばい

うろたえる。剌(らつはつ)(ばらばら)と似た語であろう。晋・李密情事を陳(の)ぶる表〕臣、詔を奉じて馳(ほんち)せんと欲せば、則ち劉の日に篤し。(いやし)くも私に順はんと欲せば、則ち訴するも許されず。臣の、實に狼狽を爲す。

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