重力子(読み)ジュウリョクシ(その他表記)graviton

翻訳|graviton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重力子」の意味・わかりやすい解説

重力子
じゅうりょくし
graviton

グラビトンともいう。重力を媒介するとみなされるスピン2,質量0の仮説的粒子場の量子論によれば,電磁場量子として光子,核力場の量子として中間子があるように,重力場にも量子があり,それを重力子という。そして光子が光波を伴うように,重力子は重力波を伴う。しかし,重力場の量子論は未完成であり,また重力子の存在は実験的にまだ確認されていない。

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世界大百科事典(旧版)内の重力子の言及

【相互作用】より

…これらのいずれの相互作用もゲージ粒子と呼ばれるスピン1(重力相互作用の場合はスピン2)の粒子によって媒介されると考えられている。それぞれのゲージ粒子は,重力の場合はグラビトン(重力子),電磁力はフォトン(光子),弱い力はZ粒子(Zボソン)およびW粒子(Wボソン),強い力はグルオンであるが,このうちグラビトンについてはまだ粒子として発見されているわけではなく,またグルオンは理論的にふつうの状態では独立した粒子として観測されることはないと予想される。さらに上記の4相互作用のほかにヒッグス粒子と呼ばれるスピン0の基本粒子によって媒介される相互作用が存在する可能性があり,ゲージ粒子も上記の4種類のほかにいくつか存在する可能性もある。…

※「重力子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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