場の量子論(読み)ばのりょうしろん(英語表記)quantum theory of fields

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

場の量子論
ばのりょうしろん
quantum theory of fields

無限の自由度をもつを量子力学的に記述する理論で,粒子数の変化する現象を扱うのに適している。この理論では,粒子に場が対応させられ,場を量子化 (→第二量子化 ) した結果出現する場の量子が粒子と同一視される。場の量子の特徴はその数が変化することであり,特に相互作用によって生成されたり消滅されたりする素粒子は対応する場の量子として記述するのが適切である。スピン 0,1/2,1 の素粒子はそれぞれ量子化されたスカラー場,スピノル場,ベクトル場で表現される。たとえば,π中間子クライン=ゴルドン方程式に従う擬スカラー場の量子,電子はディラック方程式に従うスピノル場の量子である。場の量子論は素粒子を統一的に記述しうるほとんど唯一の理論であるが,発散の困難をかかえている。一般相対性理論と量子論の融合はまだ完成していない。場の量子論の方法は物性論の多体問題でも不可欠の手段となっている。

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百科事典マイペディアの解説

場の量子論【ばのりょうしろん】

ふつうの量子力学では素粒子が生成・消滅しないものと考え,その座標や運動量を演算子で表すが,これに対し空間の各点でのや粒子数を演算子とし(第二量子化),その変化を量子論的に追求する理論を場の量子論という。これにより素粒子の性質(生成・消滅も含めて),それらの間の相互作用が統一的に記述される。→量子電磁力学
→関連項目空孔理論素粒子論超多時間理論反粒子非局所場の理論

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世界大百科事典 第2版の解説

ばのりょうしろん【場の量子論 quantum theory of fields】

自然界の状態を数式で書き表すのに大別して二つの方法がある。質点系として表すのと,場として表すのとである。投げられたボール,惑星などは質点,あるいは質点系の運動,すなわちxi(t)の形で書き表される。一方,空間の電磁場は,ある時刻t,ある点xにおける電場の強さE(x,t),磁場の強さH(x,t)と記述される。流体は分子の集りであるから,分子に番号をつけて質点系xi(t)として書くこともできるが,連続物質としてとらえ,ある時刻,ある点における密度,速度などをρ(x,t),v(x,t)として,場として表すこともできる。

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