重力波天文台(読み)ジュウリョクハテンモンダイ(その他表記)gravity wave observatory

知恵蔵 「重力波天文台」の解説

重力波天文台

一般相対性理論によると、天体の激しい運動によりその周囲の時空が乱され重力波が放出される。この重力波を検出することで、源の天体の正体やその運動を探ることができる。電磁波では不可能な観測が重力波によって可能になるので、重力波は天文学の新しい目として期待されている。近年相次いで重力波検出装置が稼働し始め、重力波天文学が現実となった。日本では国立天文台TAMA300(東京都三鷹市)、米国ではLIGO(Laser Interferometer Gravitational Observatory)、欧州ではGEO600と呼ばれるレーザー干渉計を用いた重力波天文台が2002年から本格的に稼働し始めた。これらの装置は、合体直前の中性子星連星系からの重力波の検出が目標。将来的には銀河中心にあるブラックホールや宇宙初期からの重力波の検出をめざして、宇宙空間でレーザー干渉計を組んで重力波を検出することも計画されている。

(二間瀬敏史 東北大学大学院理学研究科教授 / 2007年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重力波天文台」の意味・わかりやすい解説

重力波天文台
じゅうりょくはてんもんだい
gravitatinal-wave observator

通常の天体観測は,天体が放射する電磁波の検出によって行われているが,近年では,一般相対性理論が予測する重力波を検出して天体観測に利用しようという計画が世界各地で始っている。日本では岐阜県神岡鉱山の地下 1000mに観測施設を設置する計画がある。観測装置は長さ 3kmの干渉計を2本直交させ両端に鏡を置いたもので,重力波の検出は,レーザー光を往復させて,重力波による距離の変化を干渉光の位相のずれから読取ることにより行われる。同様な計画として,4kmの干渉計を用いる LIGO計画がアメリカで進められている。

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