鼻洗浄(読み)びせんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鼻洗浄」の意味・わかりやすい解説

鼻洗浄
びせんじょう

鼻腔(びくう)や副鼻腔の疾患で鼻腔内や副鼻腔内に鼻汁痂皮(かひ)(かさぶた)が貯留している場合、あるいは異物のある場合などに、洗浄液を用いてそれらを洗い出し、鼻腔内や副鼻腔内を清潔にすることをいう。洗浄液には微温の滅菌生理食塩水、ホウ酸水、重曹水を使用する。鼻腔の洗浄は、鼻孔にちょうど入るくらいのノズルのついた簡単な洗浄器を使用して行う。副鼻腔の洗浄は、それぞれの副鼻腔が鼻腔に開口している自然孔にカテーテルを挿入して洗浄する。上顎(じょうがく)洞の洗浄には、下鼻道から穿刺(せんし)して洗浄することが多い。なお、洗浄に際して薬液が後鼻孔から咽頭のほうに回らないように、口呼吸をさせたり、「アー」とか「エー」と発音させながら行う。

[河村正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例