デジタル大辞泉
「とても」の意味・読み・例文・類語
とて‐も
[連語]
《格助詞「とて」+係助詞「も」》「とて」を強調する。
1 …と言っても。
「げにこそ、心細き夕べに侍れ―、泣き給ひぬ」〈源・葵〉
2 …という際にも。…にも。
「朝に起きさせ給ふ―、明くるも知らで」〈源・桐壺〉
《係助詞「とて」+係助詞「も」》…も。…でも。
「これが他人の妻であったら彼―美しいと感ずるであろう」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉
「けふ―何の用あるまじ」〈浮・胸算用・五〉
《接続助詞「とて」+係助詞「も」》…としても。…ても。
「土に食ひ付き死ぬる―、こんな事はせぬものぢゃ」〈浄・曽根崎〉
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とて‐も
(格助詞「とて」に係助詞「も」を添えて強めたもの) …といっても。…だって。
※
蜻蛉(974頃)上「
かたちとても人にも似ず、こころたましひもあるにもあらで」
※歌舞伎・丹波与作手綱帯(1693)一「幸ひ女房とてもない身ぢゃ、
夫婦にならうとて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報