やつめさす(読み)ヤツメサス

デジタル大辞泉 「やつめさす」の意味・読み・例文・類語

やつめ‐さす

[枕]出雲いづも」にかかる。語義・かかり方未詳。一説に、「やくもたつ」の音変化ともいう。→八雲やくも立つ
「―出雲たけるける太刀たち」〈・中・歌謡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「やつめさす」の意味・読み・例文・類語

やつめ‐さす

地名「出雲(いずも)」にかかる。語義・かかり方未詳。「八つ芽(または彌つ芽)さす出藻」で、多くの芽がさす(勢いよく生じる意)の意から、「出(い)づ藻」と同音の関係でかかるか。「八つ藻(め)(または「彌つ藻」)さす厳藻(いつも)」で、「厳藻」と類音の関係でかかるとも。
古事記(712)中・歌謡「夜都米佐須(ヤツメサス) 出雲建(いづもたける)か 佩(は)ける太刀(たち) 黒葛(つづら)さは巻き さ身なしにあはれ」
[補注]用例の小異歌が「日本書紀」にあり、それには「やくもたつ」とある。この歌は倭建命(やまとたけるのみこと)が出雲建を平定した時のものであるから、「古事記」では、あえて国褒めの枕詞「やくもたつ」を用いなかったものか。

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