イ(藺)(読み)イ(英語表記)Juncus effusus var. decipiens; rush

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イ(藺)」の意味・わかりやすい解説

イ(藺)

Juncus effusus var. decipiens; rush

イグサ科多年草北半球温帯に分布する。湿地に生え,横に伸びる地下茎から針金状の茎を密生し,高さ 1mにも達する。先端に球状の花穂をつけ,円柱形の鞘状の包葉が花穂の先に長く伸びるため,花茎の途中に花穂をつけるようにみえる。葉は退化して褐色の鞘状となり,花茎の基部につく。水田に栽培し,1.5mぐらいになったものを刈取って乾燥し,畳表や花むしろなどの敷物を編むのに用いる。北海道から九州,沖縄まで広範囲に栽培されるが,中国地方,特に岡山,広島両県と熊本県が産額が多い。昔,髄が灯心に用いられたのでトウシンソウ (灯心草) の別名があり,またイグサともいう。

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世界大百科事典(旧版)内のイ(藺)の言及

【イグサ(藺草)】より

…イとも呼び,茎を畳表や花むしろの材料とするために栽培もするイグサ科の多年草(イラスト)。茎の髄を灯心として利用したところからトウシンソウの名もある。…

※「イ(藺)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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