ギリシア宗教(読み)ギリシアしゅうきょう(英語表記)Greek religion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギリシア宗教」の意味・わかりやすい解説

ギリシア宗教
ギリシアしゅうきょう
Greek religion

ギリシア人の祖先たちのゼウス信仰先住民族の諸神が融合して次第にゼウス中心の神系統が形成され,ホメロスにいたって神々の物語が整理統合された。これに伴いオリュンポス 12神を主とする国家的宗教が確立し,神殿,祭司,祭儀などが整備され,神占,卜占が人事を決した。神人同格の擬人的多神教で現世的性格が強く,経典はない。一方,霊魂の不滅を信じる彼岸性の色濃い密儀宗教も前6世紀頃には広まり,ディオニュソス崇拝,オルフェウス教が隆盛をきわめた。後者は教義宗教の初めであり,ピタゴラス教団に影響を与えた。ポリス衰退につれ個人的信仰,哲学的倫理的思索に傾き,キリスト教の普及とともに地方信仰に堕した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android