人事(読み)ヒトゴト

デジタル大辞泉 「人事」の意味・読み・例文・類語

ひと‐ごと【人事/他人事】

自分には関係のないこと。他人に関すること。よそごと。「境遇が似ていて、とても―とは思えない」
[補説]本来他人事」と書いて「たにんごと」とは読まなかった。
[類語]他人事余所事他事つかぬこと無関係局外無縁疎遠没交渉風馬牛別問題縁遠い薄い対岸の火事事物事象物事現象出来事余事雑事諸事事件時事事柄事故異変大変急変変事大事だいじ大事おおごと小事細事些事世事俗事私事しじ私事わたくしごと用事珍事不祥事アクシデントハプニングセンセーション

じん‐じ【人事】

人間社会の出来事。人世の事件。自然の事柄に対していう。「人事に煩わされる」
人間の力でできる事柄。人間が行う事柄。「人事を尽くす」
社会・機構組織などの中で、個人の身分地位能力決定などに関する事柄。「重役会に人事を一任する」「人事部」
俳句季語分類の一。天文地理などに対し、人間に関する題材

にん‐じ【人事】

人間に関すること。じんじ。
諸方雲水の―の産を受けず」〈正法眼蔵・行持下〉

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精選版 日本国語大辞典 「人事」の意味・読み・例文・類語

じん‐じ【人事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 自然、超自然の事柄に対して ) 人間に関する事柄。人間社会の事件。
    1. [初出の実例]「此地幽閑人事少、唯余風動暮猿悲」(出典:文華秀麗集(818)上・春日嵯峨山院〈嵯峨天皇〉)
    2. [その他の文献]〔孟子‐告子〕
  3. 人の行なう、また行なうべき事柄。また、人のなしうる仕事。
    1. [初出の実例]「今朝人事繁多、寺家公事不披露而退出也」(出典:蔭凉軒日録‐寛正五年(1464)一二月二五日)
  4. 人としてはっきりした意識でいること。人としての知覚、感覚。「人事不省」
    1. [初出の実例]「此程よりして奥方には、更に人事(ジンジ)も覚えぬ程重態にござりますれば」(出典:歌舞伎・関原神葵葉(1887)二幕)
  5. 官公庁、学校、会社などで、人の採用、転任、退職や身分、職務、能力などに関する事柄。
    1. [初出の実例]「退役将官の人事及名簿に関する事項」(出典:陸軍省官制(明治四一年)(1908)六条)
  6. 俳句の季語の分類の一つ。天文、地理、動植物以外の、人間に関する題材。

ひと‐ごと【人事・他人事】

  1. 〘 名詞 〙 他人に関すること。自分に関係のないこと。たにんごと。また、世間一般のこと。
    1. [初出の実例]「かく世の人ごとのうへをおもひおもひ、はてにとぢめ侍れば」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘六年正月)

にん‐じ【人事】

  1. 〘 名詞 〙 人間に関する事柄。また、人の行なうべき事柄。人生の諸事。じんじ。
    1. [初出の実例]「坐禅弁道すること三十余年なり。人事たえて見聞せず」(出典:正法眼蔵(1231‐53)行持上)

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普及版 字通 「人事」の読み・字形・画数・意味

【人事】じんじ

人のしわざ。世のことがら。唐・賀知章〔回郷偶書、二首、二〕詩 家を離別して、多し 來、人事、ば銷(せうま)す

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