サアダーバード条約(読み)サアダーバードじょうやく(英語表記)Treaty of Sa`dābād

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サアダーバード条約」の意味・わかりやすい解説

サアダーバード条約
サアダーバードじょうやく
Treaty of Sa`dābād

1937年7月8日,イランアフガニスタンイラクトルコの4国間で結ばれた地域安全保障条約前文中東の安全と平和の確保をうたい,相互不可侵を目指した。ソ連はこれをその南部に向けた反ソ同盟の陰謀ではないかと警戒したが,当事国にとっては,中東から大国支配を排して自決の意志を表現したものであった。同地域内の同盟条約として,36,37年のイラク,サウジアラビア,イエメン間のもの,エジプトとサウジアラビア間の2国間条約があった。これに引続く4国間条約では貿易・郵便・電信協定が結ばれ,この条約によって,この地域の二大指導者ケマル・アタチュルクレザー・シャー威信が高まった。第2次世界大戦で解消された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android