ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドブレ」の意味・わかりやすい解説
ドブレ
Debré, Michel
[没]1996.8.2. フランス,アンドルエロアール
フランスの政治家。パリ大学卒業,法学博士。 1938年 P.レイノー蔵相の補佐官として政界入りし,第2次世界大戦中は占領下のフランスでレジスタンス運動を展開。解放後 C.ドゴール将軍と会い,45年ドゴール臨時政府で活躍。 48年上院議員。早くから第四共和政攻撃の論陣で知られ,58年のドゴール復権のため熱心に活動した。第五共和政憲法起草の中心となり,59~62年第五共和政初代首相。 66,68年蔵相,68~69年外相。同年6月「開放」政策を掲げて登場した G.ポンピドー大統領のもとで,純粋・硬派ドゴール主義の歯止め的存在として国防相に就任。 72~73年 P.メスメル内閣でも留任し,フランスの独自の核戦力構築政策を推進した。政界では依然として正統派ゴーリストの位置を占め,共和国連合 RPRのシラク支配体制のなかで異色の存在であった。
ドブレ
Debray, Jules Régis
フランスの革命運動理論家。 1958年エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) 卒業。 1960年代初めにキューバを訪問,キューバ革命に強い関心をいだいた。その後ラテンアメリカの革命運動を研究。 65年末キューバ政府に招かれてハバナ大学で哲学を教えた。キューバ革命の経験を理論化し,都市プロレタリアートの革命の機運が熟していなくとも,農村の拠点をもつゲリラ戦によって革命状勢を主体的につくり出しうるとした。革命家のためのテキストとして書かれた『革命のなかの革命』 Révolution dans la Révolution? (1967) が有名。 67年 E.ゲバラのゲリラ戦に参加のためボリビアにおもむいたが捕えられ有罪となったが,70年4月に釈放された。
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