ナワトル語(英語表記)náhuatl

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ナワトル語」の解説

ナワトル語(ナワトルご)
náhuatl

かつてのアステカ王国で用いられた言語。系譜的にはウト・アステカ語を祖語とし,アメリカ合衆国南部からメキシコに入ってナワ語になった。ナワ語は9世紀から12世紀の間に,単語語尾をtで終わるナワット語とtlで終わるナワトル語に分かれたが,その後ナワトル語がメキシコ中央高原の主要言語となり,ナワット語は周縁的な地域に広がった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のナワトル語の言及

【アメリカ・インディアン】より

…北アメリカが最も進んでおり,次いで中央アメリカ,最も遅れているのが南アメリカである。ただしインカ帝国の言語で,現在ペルーをはじめ数ヵ国で約600万人により話されているケチュア語,高文化を誇ったメキシコのマヤ語,かつてのアステカ王国の言語であったナワトル語などは,16世紀に接触したヨーロッパの宣教師たちのアルファベットによる記録で早くから知られていた(しかし1850年以前の記述は言語の研究には不十分といわれる)。ア諸語の分類は,1891年にパウエルJ.W.Powellが北アメリカのものを語彙の観点から55の語族にまとめたのが最初だが,その分類は今日でも有効と見なされている。…

【ナワ】より

…アステカの言語であったナワトル語に属する各種方言を話す現代メキシコ最大のインディオ集団。人口102万(1977)ともいわれるが,5歳以上でナワトル語のみを話す人に限ると約30万である。…

※「ナワトル語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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