ヌマスギ(沼杉)(読み)ヌマスギ(英語表記)Taxodium distichum; bald cypress

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌマスギ(沼杉)」の意味・わかりやすい解説

ヌマスギ(沼杉)
ヌマスギ
Taxodium distichum; bald cypress

スギ科の落葉高木で高さ 50mにもなる。別名ラクウショウ (落羽松) 。フロリダ州など北アメリカ南東部の沼地湖畔湿地に自生する。水湿地で呼吸が困難なため根のところどころから呼吸根を直立させる特性がある。葉は線形をしており扁平で鋭頭,枝の両側に羽状に並び,秋に褐色に変り枝とともに落ちる。球果は球形ないし楕円状球形で長さ約 2cm。日本でも庭園,公園などの湿地に植えられる。材は耐久力が強く屋根板,くい (杭) ,温室材料として用いられる。近縁種にメキシコ産のメキシコサイプレスがあるが,これは幹の直径が世界最大級の樹木の一つである。またポンドサイプレス T. distichum var. pendulumは,葉が鱗片葉になった変種で枝先が垂れ下がり樹形が美しいので,欧米で装飾樹とされる。シダレスギ和名もある。

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