アーチェリー(英語表記)archery

翻訳|archery

デジタル大辞泉 「アーチェリー」の意味・読み・例文・類語

アーチェリー(archery)

西洋式の弓。洋弓。また、それを用い、的を射て得点を競う競技。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アーチェリー」の意味・読み・例文・類語

アーチェリー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] archery ) 洋弓。西洋式の弓矢を使うスポーツ

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アーチェリー」の意味・わかりやすい解説

アーチェリー
archery

西洋で発達した弓術。日本では,古来より武道として独自に発達した弓道があるため洋弓の語も用いた。

〈弓〉の歴史は目的からたどれば世界共通であり,狩猟に始まり,武器に発展し,現在のようにスポーツとなった。アーチェリーはメディタレニアン型(地中海型)と称して,3本指の第1関節に弦をかけて引く射法で,東洋の親指に弦をかけて引くモンゴリアン型とおおいに異なる。地中海周辺を中心に,ヨーロッパ各地から出土する弓および矢じりから判断して,その歴史は旧石器時代後期にさかのぼることは定説となっている。古代ギリシアは重装歩兵を主力にして対敵したが,進攻してくるペルシアの弓兵隊に悩まされた。ローマ帝国は,東方騎馬民族の弓兵を採り入れ,軍制の中でも重要なポストに据えた。中世フランスでは弩弓(どきゆう)を積極的に採用し,イギリスは長弓隊を採り入れた。長弓隊はしばしば戦闘の勝敗を決定したため,イギリス王室の庇護(ひご)を受け発展した。やがて火器の発達により武器としての弓はすたれ,イギリスを中心にスポーツとして発達する。セント・アンドルーズ大学では銀の3本矢を巡って,1618-1751年にわたり争奪戦が展開され,1676年にはThe Royal Company of Archersと称する団体がエジンバラに誕生している。とくに1780年アーチェリー愛好団体Toxophilite Societyが創立されてから,上流,中流階級の間に広まり,イギリスのアーチェリーは目覚ましい発展を遂げた。アメリカでも,1879年に全米アーチェリー協会主催で初の選手権大会が開催されている。

 オリンピックでは1900年,04年,08年,20年の大会に採用され,その後長く競技種目から除かれていたが,72年のミュンヘン大会で復活した。国際アーチェリー連盟Fédération Internationale de Tir à l'Arc(略称FITA)は1931年に設立され,加盟国は114ヵ国(1997現在),本部はロンドンにある。

 日本に最初にアーチェリーを紹介したのは菅重義(1889-1977)で,約20年の滞米生活中アーチェリークラブに所属し,39年帰国して射法を《朝日新聞》紙上に紹介したのが嚆矢(こうし)とされる。彼は47年に日本洋弓会を結成,59年には日本アーチェリー協会となり,66年全日本アーチェリー連盟が発足した。日本でアーチェリーの指導に当たった人たちは,そのほとんどが日本弓道界のリーダーであった。この日本弓道の基礎があったために,日本のアーチェリーは短時日のうちに世界の五指に入るほどの成長を示し,道永宏選手がモントリオール・オリンピック(1976)で銀メダル山本博選手がロサンゼルス・オリンピック(1984)で銅メダルアテネ・オリンピック(2004)で銀メダルなどの成績をおさめるようになった。

用具は図のとおり。初期のころとは異なり,ミュンヘン・オリンピックを境にして弓は組立式となり,用具一式がケースに格納できるようになっている。弓は日本弓のように長弓ではなく,だいたい人間の身長と同じくらいの高さであるが,グリップが中央にあること,右利きの場合左側に矢をつがえることなども日本弓道との相違点である。

 射法は八つの基礎動作からなる。すなわち,(1)スタンス,(2)セット,(3)ノッキング,(4)セットアップ,(5)ドローイング,(6)フルドロー,(7)リリース,(8)フォロースルーであり,日本弓道の八節と酷似している。

おもな競技種目として,(1)アウトドア・ターゲットアーチェリーoutdoor target archery,(2)インドア・ターゲットアーチェリーindoor target archery,(3)フィールドアーチェリーfield archery,(4)クラウトアーチェリーclout archery,(5)フライトアーチェリーflight archery,(6)スキーアーチェリーski archery,アーカスロンarchathlonなどがある。

(1)アウトドア・ターゲットアーチェリー 標的競技。各国でもっとも盛んに行われている。正式競技の場合,男子は30m,50m,70m,90m,女子は30m,50m,60m,70mの距離から各36射ずつ,合計144射を1ラウンドとしている。標的は60m,70m,90mの場合直径122cm,30m,50mでは直径80cmのものを用いる。得点は中心から外側へ,10点から1点まで10区分の同心円となっており,得点ゾーンは5色に色分けされている。競射は1回に3本ずつ発射し,その制限時間は2分である。

(2)インドア・ターゲットアーチェリー 屋内で行う。18mの距離から30射,25mの距離から30射,合計60射の合計得点で競う。男子,女子とも共通ルールで,得点方法はターゲットアーチェリーに準ずるが,標的の直径は18mが40cm,25mが60cmである。

(3)フィールドアーチェリー ゴルフのように広い山野を4人1組でプレーする競技である。24または12~24の間の4で割り切れる任意の数の標的で競技が行われ,1標的に3射ずつ行射する。ベアボウ,オリンピック,コンパウンドの各部門があり,それぞれ別の競技として行われる。

 1967年ころからアメリカで流行し始めた新型の弓,コンパウンドボウは,最近愛好者が増加し,FITAにおいて正式種目として認められることとなった。これは,2種類の滑車,プーリーとカム,または両者の組合せによるシステムによって引分けが機械的に変換される種目で,ターゲットアーチェリー,フィールドアーチェリーともにコンパウンド部門があり,標的は,中心がインナー10(ターゲット),インナー5(フィールド)になっている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「アーチェリー」の意味・わかりやすい解説

アーチェリー

西洋で発達した弓術。洋弓とも。で矢を射て,標的への的中率で得点を争う競技。17世紀以降英国を中心に欧米で発達。ターゲットアーチェリー(標的競技)とフィールドアーチェリーがある。前者は90,70,50,30m(女子は70,60,50,30m)の距離から各36矢,計144矢(ラウンドという)を2回,4日間で行い合計得点を争う。照準器(サイト)の使用が許される。後者は変化のあるコースに配置された14個の標的をふつう各4矢ずつ射て(ユニットという),これを2回繰り返す。屋内で行われるインドアアーチェリーもある。日本には1939年に伝わり,1947年に日本洋弓会を結成,1959年に日本アーチェリー協会となり,さらに1966年に全日本アーチェリー連盟となった。日本のアーチェリーは,日本弓道の基礎があったためか,急速にレベルが向上した。夏季オリンピックでは1972年のミュンヘンオリンピックから正式種目として実施された。オリンピックの決勝は,1射につき30秒の持ち時間で各12射し合計点数で勝者を決めるオリンピックラウンドと呼ばれる対戦形式の試合で競われる。日本男子は山本博が1984年ロサンゼルスオリンピック男子個人銅メダル,2004年アテネオリンピックで同じく銀メダルを獲得。女子は2012年ロンドンオリンピックで団体銅メダルを獲得(蟹江美貴,川中香緒里,早川漣)。韓国が圧倒的な強豪国で,2014年3月現在では男子・女子とも個人・団体で世界ランキング1位を独占している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android