日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヒルトン(James Hilton)
ひるとん
James Hilton
(1900―1954)
イギリスの小説家。ランカシャー県に生まれ、ケンブリッジ大学を卒業。在学中から小説を書いたが、「シャングリラ」という理想郷の物語『失われた地平線』(1933)で認められてホーソーンデン賞を受け、さらに『チップス先生さようなら』(1934)がベストセラーになる。ほかに『鎧(よろい)なき騎士』(1933)、『心の旅路』(1941)、『朝の旅路』(1951)、『めぐり来る時は再び』(1953)などがある。彼の小説は筋の変化に富み、語り口も軟らかで品のよいユーモアとペーソスが大衆に受け、映画化された作品も多い。1937年以降アメリカに定住、のち帰化。
[小松原茂雄]
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