ペーソス(その他表記)pathos

翻訳|pathos

デジタル大辞泉 「ペーソス」の意味・読み・例文・類語

ペーソス(pathos)

もの悲しい情緒。哀愁哀感。「ペーソスの漂う人情劇」
[類語]哀愁哀感悲哀

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精選版 日本国語大辞典 「ペーソス」の意味・読み・例文・類語

ペーソス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pathos ) なんとなく身にせまってくるうら悲しい感じ。しんみりとした哀れさ。
    1. [初出の実例]「哀情(波(パ)ソス)と滑稽(璃(る)ヂクラスネッス)とは所謂華文の属性にて」(出典小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)

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改訂新版 世界大百科事典 「ペーソス」の意味・わかりやすい解説

ペーソス
pathos

そこはかとなく身にせまる悲しい情感のこと。英語の音をそのまま移した語で,同様のユーモア諧謔)との対比を意識して用いられることが多い。〈哀愁〉〈哀感〉〈悲哀〉〈悲傷〉などとも訳される。語源はギリシア語のパトスpathosにあり,パトスとは〈何かされる〉という受身のあり方を本義として,ここから受難や被害の意を経て,激しい感情に襲われた心の情動や情念,ひいては苦悩を意味するまでになっている。同じギリシア語のエトスethos,ēthos(習慣,性格)やロゴスlogos(言葉,理性)が人間精神の能動的・理性的で持続的な側面をあらわすのに対し,パトスは受動的・感情的で一時的な状態を語ろうとし,ここに激しさも盛り込まれるのである。だが日本語のペーソスには激しさが失せ,対象をみつめる目に諦念を感じさせる情調が強調されて,このような情調の感得される人生のできごととか,ことにその種の芸術作品の特質を語る用語となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペーソス」の意味・わかりやすい解説

ペーソス
ぺーそす
pathos

ギリシア語パトスの英語読みで、情念、悲哀、哀感の意味に用いられる。人間の心が受ける感動のことで、一時的情感なので、反復的・瀰漫(びまん)的なエートスや理性的・能動的なロゴスと対比的である。広義では苦しみ、激情悲運などの意も含むが、一般には芸術、人生における愁哀、哀感、またそれを喚起するモチーフを表す。ユーモア、アイロニーなどとともに、文学手法上、重要な特質である。

[船戸英夫]

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百科事典マイペディア 「ペーソス」の意味・わかりやすい解説

ペーソス

哀愁,悲哀,哀感。ユーモア(諧謔)の対。語源的にはパトスに同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペーソス」の意味・わかりやすい解説

ペーソス

「パトス」のページをご覧ください。

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