プライマリー・ケア（読み）プライマリーケア

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プライマリー・ケア

プライマリー・ヘルス・ケアprimary health careの略。〈基本的保健医療〉と訳される。プライマリーは初期，基本，本来という意味だが，これには〈重要な〉という意味も含まれる。ケアは世話，管理，注意，配慮という意味。国民の健康や福祉に関するあらゆる問題を，総合的・継続的に解決していこうという，各地域での実践活動のこと。　WHO（世界保健機関）は1978年，プライマリー・ケアに関して〈健康は基本的人権であり，21世紀までに地域を場として，全世界のレベルまで格差なく，保健の実績をあげる〉との考え方を示した。具体的には，一般的医療と専門的医療とを包括した最善の医療を行おうというものであり，応急処置から本処置，リハビリテーション，経済的負担までを含めて，最善の医療が施されるためにはどうあらねばならないのかを追求すべく行う，研究および実践活動を指す。　WHOは現在，〈2000年までに世界の人々すべてに健康を〉を合い言葉に実践活動を行っているが，その根幹となっているのがプライマリー・ケアであり，WHO活動の精神的・理論的支柱となっている。
→関連項目かかりつけ医

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内のプライマリー・ケアの言及

【医学】より

…当然，これまでの医療が準拠してきた医学の諸原理についての再検討も始められる。　これらの再検討から出てくる展望は，医療の形式からすれば，プライマリー･ケアprimary health careということになるであろう。それも，地域住民の保健医療への参加を含めて，計画的に展開される地域保健医療ということになる。…

※「プライマリー・ケア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」