ベルギー加害条項(読み)ベルギーかがいじょうこう(英語表記)Belgian attentat clause

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルギー加害条項」の意味・わかりやすい解説

ベルギー加害条項
ベルギーかがいじょうこう
Belgian attentat clause

犯罪人の引渡しに関する条約および国内法において,1856年にベルギーが,犯罪人引渡し法を改正して,一般的に採用されている政治犯不引渡しの原則適用から相対的政治犯罪を除外するために設けた条項。この条項は,外国元首またはその家族危害を加える行為は政治犯罪とみなさないというもの。イギリスを除き多くの国がこの条項を採用。疑義の多い相対的政治犯罪の範囲を縮小しようという意図を示している。

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世界大百科事典(旧版)内のベルギー加害条項の言及

【犯罪人引渡し】より

…犯罪人引渡しとは,他国の法に触れた犯罪容疑者または有罪判決を受けた者が自国に滞在しているとき,外交経路により引渡請求がなされた場合,当該国に訴追または処罰のために引き渡すことをいう。逃亡犯罪人引渡しともいう。逃亡とは,外国で犯罪を犯した者が逃亡してきたことを意味するのではなく,本来の裁判権から逃亡していることをいう。犯罪人引渡しは,追放(退去強制)とともに強制的出国の一方法である。追放が行政行為としてなされるのに対し,引渡しは,犯罪抑圧のための国際協力としてなされる刑事国際司法共助の一種である(国際共助)。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」