モジョケルト(英語表記)Mojokerto

改訂新版 世界大百科事典 「モジョケルト」の意味・わかりやすい解説

モジョケルト
Mojokerto

インドネシア,ジャワ島東部の都市。人口11万2137(2003)。スラバヤの南西32km,ブランタス川デルタの頂点に位置する。付近は米,サトウキビの生産の多い肥沃な地方である。原人(ピテカントロプス・モジョケルテンシス)の化石が1934年この付近から発見された。歴史的には東部ジャワ文化の中心をなし,市の南西10kmには近世に栄えたマジャパイト王国の首都トラウーランの遺跡がある。市名も〈マジャパイトの都〉の意である。市にはオランダ領時代の運河,住居を模した一画もあるが,とくに著名なのはヤニ将軍通りにつくられた歴史博物館である。ヒンドゥー・ジャワ文化の貴重な遺物を展示し,ビシュヌ神の化身アイルランガ王の巨大な像は展示品中の圧巻である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のモジョケルトの言及

【原人】より

…メガントロプスについては,原人の変異の幅を出ないという考えと,アフリカのアウストラロピテクス・ロブストゥスに近いという考えが出されており,意見の一致がまだみられていない。モジョケルトModjokertoで発見された子どもの脳頭蓋は,伴出動物化石群がトリニールのそれよりも古いジェティス動物群に属するところから,別あつかいにされ,ホモ・モジョケルケンシスと呼ばれているが,幼年個体であるため,形態的比較がむずかしく,分類上の位置づけが定まっていない。 中国では,北京の周口店第1地点と陝西省藍田県の2遺跡で原人の化石骨が発見されている。…

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