モルガン(John Pierpont Morgan)(読み)もるがん(英語表記)John Pierpont Morgan

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

モルガン(John Pierpont Morgan)
もるがん
John Pierpont Morgan
(1837―1913)

アメリカの金融資本家、モルガン財閥始祖。富裕な金融業者ジュニアス・モルガンを父にコネティカット州ハートフォードに生まれる。ドイツのゲッティンゲン大学に学んだのち、ロンドンで父の営む金融会社に入り実務経験を積んだ。南北戦争では北軍への軍需品調達で巨利を博し、1871年、のちモルガン商会と称されるに至る金融会社を設立した。以来、政府公債の引受けや外国資本の導入、鉄道や工業への資金調達で活躍したほか、世紀転換期にはUSスチールをはじめとする大型合併に関与することによって産業分野への支配力を強化し、その影響力を背景にウォール街の指導者として君臨した。彼の企業活動には、反トラスト法違反のかどによる持株会社の解散や議会調査委員会への喚問など反社会的と目される面が少なからずある一方、慈善事業に多額の寄付を行ってもいる。死後、所蔵美術品の大部分がニューヨークの美術館に寄贈された。

[小林袈裟治]

『小原敬士著『モルガン』(『20世紀を動かした人々9』所収・1962・講談社)』

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