モルガン(英語表記)Jacques de Morgan

デジタル大辞泉 「モルガン」の意味・読み・例文・類語

モルガン(Thomas Hunt Morgan)

[1866~1945]米国の遺伝学・発生学者。ショウジョウバエを使って交雑実験を行い、メンデルの推定した遺伝要素が、染色体上に並ぶ遺伝子であることを確認。染色体地図を作製した。1933年ノーベル生理学医学賞受賞。著「遺伝子説」。モーガン

モルガン(morgan)

染色体上での遺伝子間の距離を表す単位。二つの遺伝子座の間で1回の減数分裂当たり、染色体の交差が平均1回起こる距離を1モルガンとする。この単位だと大きすぎるため、ふつうそれを100分の1にしたセンチモルガン(cM)という単位が用いられる。モルガン単位モーガン単位

モルガン(Lewis Henry Morgan)

[1818~1881]米国の人類学者・社会学者。アメリカ先住民のイロコイ族の養子となり彼らの親族組織・制度を研究。エンゲルスなどに影響を与えた。著「古代社会」。モーガン。

モルガン(John Pierpont Morgan)

[1837~1913]米国の実業家・金融資本家。モルガン商会を興し、鉄鋼・鉄道をはじめ諸産業を支配する財閥を築いた。モーガン。

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精選版 日本国語大辞典 「モルガン」の意味・読み・例文・類語

モルガン

  1. [ 一 ] ( John Pierpont Morgan ジョン=ピアポント━ ) アメリカの実業家。金融・鉄道・鉄鋼事業に携わり、特に南北戦争で巨利を得、モルガン財閥をつくりあげた。(一八三七‐一九一三
  2. [ 二 ] ( Thomas Hunt Morgan トマス=ハント━ ) アメリカの遺伝学者。ショウジョウバエの遺伝を研究して、遺伝子説を確立した。一九三三年ノーベル生理学・医学賞受賞。著「発生学と遺伝学」。(一八六六‐一九四五
  3. [ 三 ] ( Lewis Henry Morgan ルイス=ヘンリー━ ) アメリカの文化人類学者。アメリカ‐インディアンの社会を研究し、進化論の立場に立って、原始社会の発展を体系づけた。主著「古代社会」は、エンゲルスなどに大きな影響を与えた。(一八一八‐八一

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改訂新版 世界大百科事典 「モルガン」の意味・わかりやすい解説

モルガン
Jacques de Morgan
生没年:1857-1924

フランス考古学者。西アジアにおける先史文化の存在とその編年の大綱を明らかにした。中部フランスに生まれてパリの鉱山学校で学び,探鉱者としてマラッカなどを調査してのち,カフカスやイランの科学調査を指揮して1892年にエジプト古物局長官に任命され,97年まで多くの遺跡を発掘した。とくに重要なのは,ナカダNaqadaで第1王朝のマスタバを発見し,その構造と大きさを正確に示したことである。97年イランに渡ってスーサの層位的発掘を始めるとともに,調査年度ごとに刊行される概報と,遺跡や問題ごとの詳細な検討を加えた内容の本報告を出版して,バビロニアにおいて層位的発掘が始まる1930年ころまで,メソポタミア先史時代の編年に基準を提供した。この功績によって,レジヨン・ドヌール勲章などを授与された。また該博な知識を基礎に先史時代あるいは文明起源に関する概説書や方法論についての書物も刊行して考古学界に大きく寄与した。なかでも,その提唱は古いけれどもなお不明確であった中石器時代の概念を人類文化史の中に定着させた功績は,スーサ発掘のそれに優るとも劣らないものである。
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モルガン

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百科事典マイペディア 「モルガン」の意味・わかりやすい解説

モルガン

フランスの考古学者。地質学を学んだのち考古学に転じ,エジプトで石器時代王朝時代を研究。1897年―1900年フランスのペルシア考古学調査団長としてスーサの発掘を指揮,この時ハンムラピ法典を発見した。また,1909年,旧石器時代と新石器時代の中間に中石器時代という明確な時代概念を提唱したことでも知られる。主著《オリエントの先史》《先史時代の人間》。
→関連項目カンピニー文化

モルガン

米国の金融資本家。父の大財産を継ぎ,1864年―1871年ダブニー・モルガン商会,1871年ドレクセル・モルガン商会の出資者となりモルガン財閥を形成,米国金融界を支配した。同名の息子〔1867-1943〕もモルガン財閥を支配,また第1次大戦後の賠償問題会議委員など外交面でも活躍。
→関連項目ゼネラル・エレクトリック[会社]モルガン・スタンレー[会社]USスチール[会社]

モルガン

英国の小説家。海軍に入り第1次大戦で捕虜になる。大学卒業後タイムズ社に入社。批評集《鏡にうつる姿》(1929年)と戦争体験をもとにした小説《泉》(1932年)によって認められた。以後《スパーケンブルック》(1936年)ほかの小説,戯曲《日取りレンズ》(1953年),評論集《精神の自由》(1951年)など。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「モルガン」の解説

モルガン

モーガン(ルイス)

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20世紀西洋人名事典 「モルガン」の解説

モルガン


モーガンをも見よ。

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世界大百科事典(旧版)内のモルガンの言及

【中石器時代】より

…1865年にJ.ラボックが,旧石器時代と新石器時代の2時期に石器時代を細分したのち,翌66年にウェストロップH.Westroppが小型の打製石器の時代として,中石器時代を加えたのが最初である。その後,モルガンJ.de Morganによって,明確な時代概念が与えられた。典型的な形でみられるのはヨーロッパとオリエント地域であるが,世界的な石器の小型化や水産資源の利用の拡大を一つの流れとみなし,必ずしも同一の内容をもつわけではないが,中石器時代という区分がその他の地域でも用いられている。…

※「モルガン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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