日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヤング(Kimball Young)
やんぐ
Kimball Young
(1893―1973)
アメリカの社会学者、社会心理学者。シカゴ大学、スタンフォード大学で心理学、社会学を学び、1921年にDoctor of Philosophyを取得。その後ウィスコンシン大学を経て1947年にはノースウェスタン大学の社会学部長となった。なお1945年にはアメリカ社会学会の会長に就任した。トマス、パーク、バージェスおよびミードらの影響を受けて、パーソナリティーの形成過程に及ぼす社会・文化的作用を重視し、人間性の基本的部分は家族などの第一次集団によって形成されるものの、近代社会においては企業、組合、学校などのより複雑な第二次集団が重要な役割を演じる点を強調した。また優れた現実的感覚によって現代の大衆社会がもつところの社会心理的特徴を鋭く指摘し、現代人の不適応行動とその問題性についての考察は先駆的業績として評価された。『社会心理学』(1930)など著書多数。
[柴野昌山]
『米林富男訳『社会心理学』(1949・日光書院)』
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