ヤールカンド(葉爾羌)県(読み)ヤールカンド(英語表記)Yarkant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヤールカンド(葉爾羌)〔県〕
ヤールカンド
Yarkant

漢語名はシャーチョー (莎車) 。中国西北地方,シンチヤン (新疆) ウイグル (維吾爾) 自治区南西部,カシュガル (喀什 噶爾) 地区の県。タリム (塔里木) 盆地の西端にあり,ヤールカンド川にのぞむオアシスを中心とする。古くから中国と西アジアを結ぶ交通上の要地で,同じく西域南道に並ぶホータン国とともに玉の産地としてよく知られ,回城 (イスラム教徒居住区) を「ヤールカンド」,漢城 (漢族居住区) を「莎車」と呼んだ。南東のホータン,北西のカシュガルにはさまれて勢力は伸びない面もあった。長く仏教が盛んであったが,10世紀にカラハン朝の領土に入るとイスラム化が進んだ。その後多くの政権のもとで消長を繰返しながら,16世紀カシュガル・ハン国領となり,18世紀中頃に清国の支配下に入った。現在はヤールカンド川から多数の用水路が引かれ,コムギトウモロコシ水稲,ゴマ,リョクトウ,ウリ類を栽培し,養蚕が盛ん。絹,綿,毛の織物や絨毯を産する。石油,石炭が埋蔵されている。人口 53万 7560 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android