仕懸文庫(読み)シカケブンコ

デジタル大辞泉 「仕懸文庫」の意味・読み・例文・類語

しかけぶんこ【仕懸文庫】[書名]

洒落本。1冊。山東京伝作・画。寛政3年(1791)刊。江戸深川仲町の岡場所風俗を描く。

しかけ‐ぶんこ【仕懸(け)文庫】

《「文庫」は箱の意》江戸深川の遊里で、遊女の着替えを入れて持ち運ぶための手箱
[補説]書名別項。→仕懸文庫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「仕懸文庫」の解説

仕懸文庫
しかけぶんこ

江戸後期の洒落本。1冊。山東京伝作・画。1791年(寛政3)刊。仕懸とは江戸深川仲町の遊女の着物のこと。題名はそれを入れる箱を意味し,深川風俗を描いたの意。京伝が深川を描いた唯一の洒落本で,描写細緻をつくす。執筆の年に出版取締令が出たため,袋に「教訓読本」と記すなどの配慮をしたが,「娼妓絹籭(しょうぎきぬぶるい)」「錦之裏」とともに絶版となり,京伝も版元蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)も処罰された。「新日本古典文学大系」所収。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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