デジタル大辞泉
「其方此方」の意味・読み・例文・類語
そっち‐こっち【×其▽方×此▽方】
《「そちこち」の促音添加》
[代]「そちこち」に同じ。「其方此方で虫が鳴く」
[副]「そちこち」に同じ。
「ちっと起こしたとって、―言やあがるから」〈洒・甲駅新話〉
「もう―夜が明けるだらう」〈洒・廓宇久為寿〉
そちら‐こちら【×其▽方×此▽方】
[代]「そちこち」に同じ。「其方此方をさがしまわる」
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そっち‐こっち【其方此方】
(「そちこち(其方此方)」の変化した語)
※
西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉
一二「ここといふ慥
(たしか)なきまりはなくそっちこっち住替
(すみかへ)て」
[2] 〘副〙
※
洒落本・甲駅新話(1775)「ちっと起したとって、そっちこっち言やあがるから」
※洒落本・廓宇久為寿(1818)前「もうそっちこっち夜が明るだらう」
そち‐こち【其方此方】
[1] 〘代名〙 他称。
多くの
場所をばくぜんとさし示す。そちらこちら。あちこち。あちらこちら。ほうぼう。そっちこっち。
※
滑稽本・七偏人(1857‐63)五「顔を突だし、其方此方
(ソチコチ)を見れど」
[2] 〘副〙
① あれやこれや。かれこれ。そっちこっち。
※
談義本・教訓雑長持(1752)三「イヤそちこちいふ間に日がたけた」
② おおかた。だいたい。そっちこっち。
※滑稽本・早変胸機関(1810)田婢変じて令室となる「ヲヤヲヤそちこちモウ無くなるは」
そちら‐こちら【其方此方】
※おしの(1923)〈
芥川龍之介〉「神聖な
感動に充ち満ちた
神父はそちらこちらと歩きながら」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報