其方此方(読み)ソチコチ

デジタル大辞泉 「其方此方」の意味・読み・例文・類語

そち‐こち【××方】

[代]指示代名詞。あちらこちら。あちこち。方々。「其方此方を尋ねてみる」
[副]
あれこれ。「其方此方する中、昼も過ぎた」
だいたい。かれこれ。「彼も、もう其方此方四〇だろう」
[類語]そこここ所所ところどころ所所しょしょ

そっち‐こっち【××方】

《「そちこち」の促音添加》
[代]そちこち」に同じ。「其方此方で虫が鳴く」
[副]そちこち」に同じ。
「ちっと起こしたとって、―言やあがるから」〈洒・甲駅新話
「もう―夜が明けるだらう」〈洒・廓宇久為寿〉

そちら‐こちら【××方】

[代]そちこち」に同じ。「其方此方をさがしまわる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「其方此方」の意味・読み・例文・類語

そっち‐こっち【其方此方】

  1. ( 「そちこち(其方此方)」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙そちこち(其方此方)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「ここといふ慥(たしか)なきまりはなくそっちこっち住替(すみかへ)て」(出典西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. そちこち(其方此方)[ 二 ]
      1. [初出の実例]「ちっと起したとって、そっちこっち言やあがるから」(出典:洒落本・甲駅新話(1775))
    2. そちこち(其方此方)[ 二 ]
      1. [初出の実例]「もうそっちこっち夜が明るだらう」(出典:洒落本・廓宇久為寿(1818)前)

そち‐こち【其方此方】

  1. [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙 他称。多く場所をばくぜんとさし示す。そちらこちら。あちこち。あちらこちら。ほうぼう。そっちこっち。
    1. [初出の実例]「顔を突だし、其方此方(ソチコチ)を見れど」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)五)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. あれやこれや。かれこれ。そっちこっち。
      1. [初出の実例]「イヤそちこちいふ間に日がたけた」(出典:談義本・教訓雑長持(1752)三)
    2. おおかた。だいたい。そっちこっち。
      1. [初出の実例]「ヲヤヲヤそちこちモウ無くなるは」(出典:滑稽本・早変胸機関(1810)田婢変じて令室となる)

そちら‐こちら【其方此方】

  1. 〘 代名詞詞 〙そちこち(其方此方)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「神聖な感動に充ち満ちた神父はそちらこちらと歩きながら」(出典:おしの(1923)〈芥川龍之介〉)

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