勧戒図(読み)かんかいず(英語表記)quan-jie-tu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勧戒図」の意味・わかりやすい解説

勧戒図
かんかいず
quan-jie-tu

勧善懲悪の精神を主題とし,道徳教化を目的とした東洋画のジャンル。儒教が国教化した中国,漢代には,絵画彫刻などの芸術が道徳教化の手段と考えられ,画像石などに多数の勧戒図が描かれた。図は歴史上,伝説上著名な聖人君子,名臣忠義,烈女孝子,または暗君逆臣などの人物行状を扱っている。六朝時代以降は漢代ほどの隆昌をみなかったが,中国人の芸術観として後世まで存続。この思想朝鮮,日本にも伝えられ,日本では賢聖障子,文王呂尚図など儒教の影響の深い絵画が描かれた。安土桃山,江戸時代には狩野派などが多数制作した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android