大賀郷(読み)おおかごう

日本歴史地名大系 「大賀郷」の解説

大賀郷
おおかごう

[現在地名]八丈町大賀郷

三根みつね村の南西八丈富士ひがし山の間に形成された平坦地に位置し、南西の海岸に八重根やえね津呂(八重根港)を擁している。中世以降島の政治・経済・社会・文化の中心地で、近世には島役所が置かれ、現在も東京都八丈支庁・町役場・八丈島空港・都立八丈高等学校などの施設が集まり、官庁街になっている。安永三年(一七七四)の伊豆国附島々様子大概書によると、反別は田一七町六反余・畑四五町六反余、戸口は一五八軒・一千三七七人、ほかに浮田流人四九人、流人三二人(うち一〇人は島出生の流人の子)、牛二六二。「南方海島志」には「大賀郷ハ海岸少シ平カナル故多ク船ヲ此ニ泊ス、平地アリテ田畠広シ」とあり、また源為朝館跡として「大賀郷横麻カ原ニ城ト云処」があり、そこに堀の跡があると記しているが、地内には為朝祠をはじめ為朝伝承地も多い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大賀郷の言及

【八丈島】より

… 東山山麓の湧水地帯に古くからの集落が分布し,伊豆諸島唯一の水田地帯がみられる。中央低地の三根(みつね),大賀郷(おおかごう)が中心集落で,神湊(かみなと)港,八重根港があり,神湊港と東京港間に定期船の便がある。1962年には西山山麓に空港が開かれ東京と結ばれ,82年に空港拡張工事が完成して,ジェット機が羽田から1日4往復就航するようになって島の観光地化が急速にすすんだ。…

※「大賀郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」