実需原則(読み)じつじゅげんそく(英語表記)real demand principle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「実需原則」の意味・わかりやすい解説

実需原則
じつじゅげんそく
real demand principle

円相場の安定をはかるため外国為替銀行が居住者との間で行う先物為替取引は,実需に基づくものであるという原則。また非居住者との間の先物取引投機を目的としないという外国為替及び外国貿易管理法 (外為法) に定められていた規制。 (1) 実需原則があることによって事業法人の為替リスク回避余地を狭めていたこと,(2) 東京外為市場規模が拡大し,一部の投機筋による動きだけでは簡単に相場の安定が崩れることはないこと,(3) 主要国の為替規制のなかに同様の規制はあまりないことから見直しの要望が高まり,1984年4月1日この原則は撤廃された。

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世界大百科事典(旧版)内の実需原則の言及

【外国為替】より

…この直物持高のうち,いつでも外貨資金として利用できる外貨預金や外貨現金のポジションを現金持高cash positionという。 実需原則日本の対外貿易取引は外貨建ての割合が多いため,為替相場の安定が国民経済にとって重要であることから,為替管理法上,日本の居住者(銀行の顧客)が先物為替取引を行う場合には,それが〈実体的な経済取引(裏付け取引)から生じる〉外国為替の売買でなければならないとしていた(1984年4月廃止)。これを実需原則という。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」