外為法(読み)ガイタメホウ

デジタル大辞泉 「外為法」の意味・読み・例文・類語

がいため‐ほう〔グワイためハフ〕【外為法】

外国為替及び外国貿易法」の通称

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共同通信ニュース用語解説 「外為法」の解説

外為法

外国為替および外国貿易法の略称。経済の安定や安全確保を目的に、軍事転用の恐れが大きい物品や技術の輸出を規制している。経済安全保障観点から、活用事例が目立つようになった。核燃料物質など具体的な品目を定め、経済産業省による輸出許可を必要とする「リスト規制」と、それ以外の品目で大量破壊兵器通常兵器の開発などに使われる恐れがある場合に許可を求める「キャッチオール規制」の2種類がある。

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精選版 日本国語大辞典 「外為法」の意味・読み・例文・類語

がいため‐ほうグヮイためハフ【外為法】

  1. 〘 名詞 〙 外国為替及外国貿易管理法(がいこくかわせおよびがいこくぼうえきかんりほう)外国為替及外国貿易法(がいこくかわせおよびがいこくぼうえきほう)の俗称。

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知恵蔵 「外為法」の解説

外為法

日本の対外取引の正常な発展や国際社会の平和や安全の維持を目的として、外国為替や外国貿易などの対外取引の管理や調整を行うための法律。正式名称は、外国為替及び外国貿易法。日本と外国の間で行われる資金や財、サービスの移動などの対外取引や、居住者間での外貨建て取引に適用される。
外為法はその目的を、「外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引の正常な発展」を図るとしている。ただし、有事にあっては国際社会の平和・安全の維持、国際収支均衡通貨の安定、日本経済の健全な発展等に鑑み、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことも、また法の目的としている。したがって、現在の同法は、管理は最低限にとどめ、自由貿易を基本とするものである。しかし、その源流戦前の対外取引を管理することを目的とした外国為替管理法にある。敗戦によりGHQ(連合国軍総司令部)の管理に移り、民間貿易が一部再開されると共に、1949年に旧称「外国為替及び外国貿易管理法」が新たに制定された。ただし、「管理法」の名の通り、国際収支の均衡と通貨の安定を図ることなどを主目的とし、外国為替や外国貿易を厳格に政府の管理下に置くための法だった。このため、外国との経済取引、通貨の取引は原則として禁止され、事前に許認可を受けた場合に特例として許された。また、外為取引は「為銀主義」と呼ばれ、同法の認可を受けた外国為替銀行(外国為替公認銀行・為銀)や外国為替銀行法に基づく外国為替専門銀行(東京銀行)を通じて行わなければならないと定められていた。これが大きく変わるのは80年の改正で、対外取引は原則自由とする法体系へと転換された。続いて、98年の改正では事前の許可・届け出制度が原則として廃止され、為銀主義も廃止され、法の名からも「管理」の2字が削除され法の根本的な方向が完全に変わった。また、日本が締結した条約や国際約束を履行するため必要があるときや、国際平和のための国際的な努力に日本として寄与するため特に必要があると認めるときなどについては、経済制裁などの措置を講ずることができるとした。
なお、外国資本を招き入れる直接対内投資については、国の安全を損なうものなどについては一定の制限を加えることができ、これに基づいて航空機や原子力関連などの業種では外資による投資規制が定められている。政府はこの外資規制の対象を、2019年8月からIT(情報技術)分野にも拡大することを発表した。国の安全保障の観点から、携帯電話や電子計算機、半導体メモリーなどの製造業やソフトウェア開発など20業種が追加され、上場企業の株式を10%以上取得したり、非上場企業の株式を取得したりする場合には事前の届け出が求められ、審査の結果、問題が見つかれば政府は計画の変更や中止を勧告・命令できる。その背景として、米トランプ政権の中国に対する強硬姿勢に同調すると共に、近年、問題化している中国など外国への技術流出を防ぐことが狙いと見られている。

(金谷俊秀 ライター/2019年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「外為法」の解説

外為法

外国為替取引に関する法律。1997年、金融ビックバンの中で改正外為法が成立し、98年4月から施行されている。改正外為法は従来の外為法に比べて、大きく2つの改正点がある。1つは外為取引への規制解除、2つめは外為取引の簡易化である。まず、従来、外為業務は公認銀行に限られていたが、その規制がなくなった。さらに、企業や個人が海外と資本取引および決済を行なう場合に事前許可・届出が不要になった。この改正によって、企業や個人の外為取引が促進されることになると言われている。

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改訂新版 世界大百科事典 「外為法」の意味・わかりやすい解説

外為法 (がいためほう)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外為法」の意味・わかりやすい解説

外為法
がいためほう

外国為替及び外国貿易法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外為法」の意味・わかりやすい解説

外為法
がいためほう

外国為替及び外国貿易法」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の外為法の言及

【外国為替及び外国貿易法】より

…外為(がいため)法と略称。日本の外国為替と外国貿易の規制に関する基本法である。…

【外資導入】より

…また外債発行は78年度以降順調に拡大している。80年12月の外国為替及び外国貿易管理法(外為法)の改正により,従来の外資法が廃止されて改正外為法に統合され,改正外為法に新たに〈対内直接投資等〉および〈技術導入契約の締結等〉の条項が設けられた。また従来外資法の対象範囲であった社債,受益証券,金融機関からの借入れ等については,一般の資本取引と同様の扱いを受けることになった。…

【銀行】より

…こうした金融市場の自由化の動きは,金融の国際化からも促進された。80年12月に施行された新しい〈外国為替及び外国貿易管理法(外為法)〉の改正は,金融の国際化を一歩進めたもので,その結果,本邦企業等の海外での資金調達が活発になった。 日本の金融システムが以上のような構造的変化を受けるなかで,銀行経営も従来とは違った性格を帯びることとなった。…

【資本自由化】より

…75年には農林水産業・鉱業・石油業・皮革製品製造業以外の業種に係るものについては,届出のみで外資企業の日本への進出が自由に認められることになった。すなわち1980年に改正された〈外国為替及び外国貿易管理法(外為法)〉は,非居住者による未上場株式の取得,比率10%を超える上場株式の取得等をもって対内直接投資と定義し,所管大臣および大蔵大臣へ届け出るのみで行うことを原則的に認めている。ただし,(1)当該直接投資が国の安全や公共秩序維持を妨げるおそれのある場合や,(2)当該対内直接投資に係る事業と同種の日本における事業の活動の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすおそれのある場合等には,所管大臣はこの投資計画の内容を変更または中止させる権限をもっている。…

※「外為法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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